まいど
思へばこの世は常の住み家にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ、榮花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり
人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ
と熊谷直実が自分が打ち取った平敦盛を哀れんで(敦盛は直実の幼い子供と同じくらいの歳だった様でやんす)唄った
「敦盛」
でやんすが
この中の一節に
人間五十年
とあるでやんす
人間が五十生きられたとしても五百年生きる化け物とはくらべようがない
と唄っているでやんす
これは戦国時代以前の日本人の平均寿命が35〜37歳ぐらいで
五十年生きられたいいなという願いもあるでやんす
今の人ならこの歳は働き盛りでやんすな
信長が暗殺されたのは49歳でやんすから
当時の人としてはまあ長く生きた方でやんす
因みに
長生きした人もいるでやんす
北条幻庵や天海上僧などは百歳越えをしてるでやんすな